長期契約のリスク
1.長期契約のリスクについて
PPAモデルは、多くのメリットがあります。しかし当然デメリット(リスク)もあります。一番のリスクは、15年~20年の長期契約となります。PPAモデルではお客様の初期費用ゼロ円のため、太陽光発電の設置費用を再エネ会社が負担することとなりますが、再エネ会社はそれらの費用負担を15~20年スパンで少しずつ減らしていき最終的に黒字化します。 このリスクはPPA事業者(エネルギーサービス会社)と、需要家(太陽光発電設置事業者)双方にあります。
2.電気料金変動リスク(双方のリスク)
この数年は、ウクライナ紛争などによる原油価格の高騰、外国為替の円安傾向、などが原因で電気料金は高くなっています。しかし経済の変動は予測がつきません。円高になったり、原油価格も下落の可能性もあります。そうなると一般の電気料金は安くなる場合があります。PPA契約では電力料金は、契約期間中変わりません。需要家はPPA事業者から、契約した価格で電力の購入します。電力会社からの料金のほうが安くなるリスクがあります。
3.発電効率の低下リスク(双方のリスク)
PPAモデルは太陽光発電による発電量が増えるほど経済メリットが大きくなりますが、一方で発電量の低下や故障は、再エネ会社にとって(お客様にとっても)収益性の悪化に繋がります。主な発電効率の低下原因には次のものがあります。
◆経年劣化:平均年0.5%の低下があるとされています。
◆日照不足・高気温:気象変動にも太陽光発電は影響を受けて発電量は低下します。特に近年の高温化は発電量がかなり低下します。
◆パネルのトラブル:現在シリコン系の発電パネルは、中国製がほとんどと言われています。製品の品質にかなりのバラツキがあると考えられます。再エネ会社は自身の専門性をもって適切なメンテナンスを継続的に行っていかねばなりません。
4.自社都合で、移動や破棄ができない(需要家のリスク)
設備はPPA事業者の所有物なので、事業所の移転、転売などの際に、勝手に移動や撤去ができないことに注意が必要です。また、建物が老朽化ても、改修や建て替えには、制約があります。